「どうして自分はこんなにダメなんだろう…」
努力できない、すぐイライラする、人に迷惑ばかりかけてしまう。
このように、自分の嫌なところが次から次へと思い浮かび、自分を責めては落ち込む毎日は、本当に辛いですよね。
僕もかつては、自分のことが大嫌いで、生きることが辛くなるほどでした。
もしあなたが今、昔の僕と同じような苦しみを抱えているなら、この記事が少しでも心を軽くするきっかけになるかもしれません。
僕自身、心理学、特に認知行動療法や精神分析の考え方に出会ったことで、ようやく自分を縛り付けていた苦しみから抜け出すことができました。
ここでは、そんな僕が「もっと早く知りたかった」と感じた心理学の知識と、実際に自分を嫌いな状態から抜け出すことができた経験談を、できるだけ分かりやすくお伝えします。
自分が嫌いになって辛くなるのは「信念」のせい

なぜ、人は自分のことを「嫌い」になってしまうのでしょうか。
それは、僕たちが本当にダメな人間だからではありません。
原因は、その人が無意識のうちに持っている「信念(ビリーフ)」です。
心理学では、僕たちは現実をありのままに見ているのではなく、過去の経験から作られた「信念」という色眼鏡を通して世界を解釈していると考えられています。
そして、感情は「出来事」そのものではなく、その出来事をどう「認識」したかによって生まれます。
出来事 → 信念(色眼鏡) → 認識 → 感情
つまり、自分を嫌いという感情は、信念を通して、出来事を認識した結果として生じるものということです。
ここで更に理解を深めていただけるように、具体例をご紹介します。
例えば、「自分は価値のない人間だ」という信念の色眼鏡をかけているとします。
すると、次のように出来事を認識して、ネガティブな感情が生まれることが多いです。
- 出来事: 職場で注意された
- 信念: 自分は価値がない
- 認識: きっと僕のことを見下しているから、口実を付けて注意してきたんだ
- 感情: 理不尽に感じてイライラするし、怒りも感じる。注意されてしまった自分はやはりダメなんだと落ち込む
上記の例は、実際の僕の体験談でもあります。
このように、ネガティブな信念を持っていると、何気ない出来事さえも自分を攻撃するものとして認識してしまい、辛い感情が生まれてしまうのです。
つまり、あなたを苦しめているのは、出来事そのものではなく、あなたの持つ「信念」ということになります。
ここまでで、自分を嫌って辛くなる原因をご紹介しましたが、「どうしたら辛くなくなるのか?」を知りたいですよね。
そこで、次からは対処法をご紹介していきます。
「認識」を変えるだけで自分を嫌う辛さが和らぐ

「信念が原因なのは分かったけど、そんな簡単に変えられない…」
そう思いますよね。
その通りです。
長年かけて形成された信念をすぐに変えるのは、とても難しいことです。
しかし、辛さを和らげる方法は、信念を変える以外にもあります。
それは、感情が生まれる手前の「認識」を変えることです。
認識を変えるだけでも、心の辛さは大きく和らぎます。
これは、心理学で「リフレーミング」と呼ばれるテクニックです。
ある物事を見ている枠組み(フレーム)を、意図的に別の枠組みで捉え直すことを指します。
例えば、「コップに半分の水」を見て、「もう半分しかない」と認識すれば残念な気持ちになりますが、「まだ半分もある」と認識すれば、満たされた気持ちになりやすいですよね。
先ほどの例で言えば、「きっと自分を見下している」という認識を、「相手は虫の居所が悪かっただけかも」「自分のためを思って言ってくれたのかも」と、別の可能性に目を向けてみます。
このように、物事に対する認識を変えることができるだけでも、辛さがすごく和らぐことがあります。
最初は難しいかもしれませんが、意識的に「他の見方はないかな?」と考える癖をつけるだけで、ネガティブな感情に飲み込まれる回数は確実に減っていきます。
このように、リフレーミングは、簡単にできて効果を感じやすい対処法です。
一方で、リフレーミングほど簡単ではないけれど、根本的な対処法として信念を変える方法もあります。
信念を変えることについて、次にご紹介しますね。
「信念」を癒すことで自分を嫌いな状態から抜け出せる

認識を変えることで一時的に気持ちは楽になりますが、根本的に自分を嫌いな状態から抜け出すには、やはり「信念」そのものと向き合う必要があります。
信念を変えるのは難しい、と先ほどお伝えしました。
それは、ネガティブな信念であっても、実は「あなたを守る」という大切な役割を担っているからです。
例えば、「自分はダメだ」という信念は、挑戦して失敗し、傷つくことから自分を守ってくれます。
「人に期待してはいけない」という信念は、裏切られて深く傷つくことから自分を守ってくれるのです。
だから、無理やり変えようとしたり、捨てようとしたりするのではなく、まずは「今まで自分を守ってくれてありがとう」と、その存在を認めてあげることが大切です。
その上で、「でも、もう大丈夫だよ」と、今の自分にはその信念が必要なくなったことを、優しく伝えてあげる。
僕自身、この「信念と向き合い、癒す」というプロセスを通して、ようやく長年の自己嫌悪のループから抜け出すことができました。
それは、数十年にわたって心を縛ってきたものが、スーッとほどけたような感覚で、それから自分を嫌いだと思うことが激減しました。
僕が、実際に行った方法は、以下の記事で解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
なぜ僕は自分を嫌いすぎて辛くなっていたのか

ここからは、僕自身が自分と向き合ったことでわかった、自分を嫌いすぎて辛くなっていた原因についてご紹介します。
ご自身の状況と照らし合わせることで、自分を知るきっかけになるかもしれません。
僕が、自分を嫌いになった原因は、大きく分けて2つ考えられます。
それぞれについて解説していきますね。
育った環境
まずは、育った環境です。
僕の家は、金銭的には何不自由なく生活できるレベルで、欲しいものはたいてい買ってもらえるほどでした。
なので、お金に関する苦労はまったくしてきませんでした。
でも、その一方で、父親は朝早くから仕事へ行き、帰りは遅い。
休日も会社へ行くことがあり、泊まりで旅行に行った記憶はありません。
また、4人兄弟だったこともあり、母親はパートと家事が忙しく、ゆっくり遊んでもらえるような環境ではありませんでした。
このような両親のもとで育ったことで、親に叱られたり、口喧嘩をしたりした記憶はたくさんありますが、褒められたり、何かを認めてもらえたりした記憶がほとんどありません。
もちろん、親は親なりに、僕を「正しい人間」にしようとしてくれていたのだと、今は理解できます。
しかし、子どもの頃の僕は、親の視点を理解できるほど大人ではありません。
そのため、「自分は価値がないんだ」「自分はダメなんだ」という信念が自然と出来上がったんだと思います。
だからこそ、学校で成績が良かったり、何かで表彰されたりしても、「自分はまだまだだ…」と自分でも自分を認められなくなっていました。
こうした環境で育った結果、「自分はダメだ」という信念ができてしまい、物事をネガティブに認識することで苦しくなっていました。
アトピー
2つ目の自分を嫌いになった原因は、アトピー性皮膚炎です。
中学生の時に再発したアトピー性皮膚炎。
ただでさえ多感な思春期に、僕の体中の皮膚はただれ、特に顔は皮膚が常に剥がれ落ちるような、見るに堪えない状態でした。
鏡を見るたびに汚い皮膚に気持ちが落ち、人と会うのがすごく嫌でした。
「ただでさえブサイクな顔なのに、肌まで汚いなんて…」
ブサイクだと思っている人でも、肌が汚くないだけで羨ましいと感じるほどひどかったです。
クラスメイトには、醜さや汚さで嫌な思いをさせてしまったと思います。
この経験は、「自分はダメだ」という信念を、「自分は醜く、人から避けられる存在だ」という、より強固で否定的なものへと変えてしまいました。
だからこそ、対人関係がすごく苦手で、とくに自分の容姿がずば抜けて嫌いでした。
しかも、容姿はどうしようもできないからこそ、すごく辛かったです。
このような、過去の経験から強力なネガティブな信念が生まれた僕ですが、今ではそんな状況から抜け出せたと思っています。
大人になるにつれてアトピーが改善したこともありますが、やはり先ほどご紹介した心理学に基づく対処法を実践したことが大きいです。
自分を好き、とまではいかないけれど、今の自分をありのまま受け入れられるようになりました。
そこで最後は、自分を嫌いな状態から抜け出せてよかったことをご紹介しますね。
自分が嫌いな状態から抜け出せてよかったこと

僕が心理学の知識を頼りに自分の心と向き合い続けた結果、以前のような生きづらさは、かなり改善されました。
完全に自分を好きになったわけではありません。
でも、「こんな自分も、まあいいか」と思えるようになりました。
ここでは、こうした変化によって、訪れた良いことをご紹介します。
きっと、あなたも現状から抜け出すモチベーションに繋がると思います。
できない自分もそれでよいと思える
1つ目は、できない自分を許せるようになったことです。
以前は、何かできないことがあると「やっぱり自分はダメだ」とすぐに自分を責めていました。
しかし今は、「これが今の自分だから、できなくても仕方ない。もしできるようになりたければ、これから努力すればいい」と自然に思えるようになりました。
完璧な人なんていません。
だからこそ、自分にも完璧を求める必要はないんです。
できないことがあってもいい。
そうやって、できない自分を受け入れられたことで、心が本当に楽になりました。
他人に対する無駄な敵意が減る
2つ目は周りに対する不要な敵対心が弱まったことです。
かつての僕は、周りの人の何気ない言動を、すべて自分の価値を測るモノサシで見ていました。
こうい現象を心理学では、「投影(とうえい)」と言います。
誰かが評価されれば嫉妬し、少しでも批判的な態度を取られると「自分は否定された」と過剰に反応し、心の中で敵意を燃やしていました。
しかし、自分の価値を自分で認められるようになると、他人の言動に一喜一憂することが激減しました。
誰かにムッとするようなことを言われても、「あ、あの人はそういう考え方をする人なんだな」と、自分と相手を切り離して考えられるようになったんです。
こうした考え方ができるようになったことで、人間関係のストレスも減りました。
多角的にものごとを捉えられる
最後は、多角的な視点を持てるようになったことです。
自己嫌悪という分厚いフィルターが外れたことで、世界が違って見えるようになりました。
自分の悪いところだけでなく、意外な長所や頑張ってきたことにも気づけるようになったんです。
例えば、周りとのいざこざを避けるために、低姿勢をとることが多いんですが、そんな自分を以前は、小心者だと感じて嫌いでした。
でも、いざこざを避けるために自分を抑えられない人がいることも知り、これは自分の長所なのだと気づけました。
このように、一つの出来事を様々な角度から捉えられるようになりました。
視野が広がったことで、自分の良さに気づけるようになり、自分を嫌うという感覚がほとんどなくなりました。
ここまでにご紹介したように、自分を嫌いな状態から抜け出せると、心理面でとても救われました。
なので、気になることからで良いので、ぜひご紹介した内容を参考にしてみてくださいね。
まとめ
もしあなたが今、自分が嫌いで辛いと感じているなら、まず知ってほしいことがあります。
それは、あなたが悪いわけでは決してない、ということです。
その苦しみは、過去の経験から作られた「信念」という色眼鏡が、あなたにそう見せているだけかもしれません。
この記事でお伝えしたように、認識は変えることができるし、信念を癒すこともできます。
その結果、自分を嫌いで辛い状況からでも抜け出すことができるんです。
僕自身、自分の育った環境やアトピーの経験から「自分はダメで価値がない」という信念を抱え、長い間苦しんできました。
しかし、自分の心と丁寧に向き合うことで、少しずつ自分を受け入れられるようになり、見える世界が変わりました。
この道のりは、決して簡単ではないかもしれません。
時には、辛い過去と向き合わなければならないこともあると思います。
でも、きっと自分を嫌う辛さから抜け出すことはできるはずです。
この記事が、あなたが救われる一助になれれば嬉しいです。
参考記事
本記事を書くにあたり、下記の本を参考にしました。





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