「怒られたことがずっと頭から離れない…」
何度も怒られた瞬間を思い返してしまったり、寝る前にふとその出来事が浮かんだりすると、気分が沈んでしまうこともあるかもしれません。
そんなとき、「どうして怒られたことばかりが頭に残るんだろう?」と自分を責めてしまうこともあるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、怒られたことが頭から離れない理由とその対処法をはじめ、メンタルを保ちながら、少しでも気持ちを軽くするためのヒントもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
怒られたことが頭から離れない理由

はじめに、怒られたことが頭から離れない理由を5つご紹介します。
- 何度も考えてしまうから
- インパクトが最も大きいことが印象に残る
- 考えないようにしているから
- 自信が無いから
- 怒られることが怖くなってしまったから
何度も考えてしまうから
1つ目は、何度も考えてしまうからです。
なぜなら、人は繰り返し同じことを考えることで、記憶が強化され定着してしまうからです。
たとえば、あなたも「なぜあの時こうしなかったんだろう…」と、繰り返し同じシーンを思い出してしまう経験はありませんか?
これは脳がその記憶を繰り返し強化し、忘れにくくしてしまうプロセスの一部です。
そのため、怒られた出来事を何度も反芻することで、さらに頭に残り続けてしまいます。
インパクトが最も大きいことが印象に残る
2つ目は、インパクトが最も大きいことが印象に残るからです。
理由は、人の記憶は感情が強く動いた瞬間と最後の印象で大きく評価されるためです。
たとえば、行動経済学者のダニエル・カーネマンが行った「ピーク・エンドの法則」によれば、出来事の中で最も感情が動いた瞬間とその終わり方の印象が、全体の記憶に強く影響を与えるとされています。
怒られた瞬間は、多くの場合、感情が大きく揺さぶられるため、そのインパクトが記憶に強く残るのです。
そのため、怒られた経験が頭に強く残るのは、自然なことと言えます。
考えないようにしているから
3つ目は、考えないようにしているからです。
なぜなら、人は「考えないようにしよう」とするほど、逆にそのことを考えてしまう傾向があるからです。
たとえば、心理学の「白くま実験」というものがあり、「白くまを考えないようにしてください」と言われた場合、多くの人が逆に白くまを考えてしまうことが確認されています。
これと同様に、怒られたことを忘れようとすればするほど、逆にそのことを思い出してしまうのです。
そのため、無理に考えないようにすると、逆効果になることがあります。
自信が無いから
4つ目は、自信が無いからです。
理由は、自信がないと、ミスを自分のせいだと考え、ネガティブな思考のスパイラルに陥りやすいからです。
たとえば、自分に自信がないと、他人からの批判や怒りを過度に深刻に受け止め、心の中で「やっぱり自分はダメなんだ」と自分を責める傾向があります。
これにより、怒られた経験がさらに強く頭に残り、自己肯定感が下がります。
よって、自信のなさが、怒られたことを頭から離れにくくしてしまうのです。
怒られることが怖くなってしまったから
5つ目は、怒られることが怖くなってしまったからです。
その理由は、人は恐怖を感じたことに対して警戒心を持つからです。
たとえば、仕事で上司に怒られた経験がある場合、職場にいる間は常に「また怒られるかもしれない」と感じてしまい、無意識に警戒してしまうことがあります。
この警戒心が続くことで、怒られたことが頭に残りやすくなるのです。
そのため、一度怒られることが怖いと感じると、その経験が頭から離れにくくなることがあります。
怒られたことが頭から離れないときの対処法

続いては、怒られたことが頭から離れないときの対処法を7つご紹介します。
- 睡眠をとる
- 頭の中のイメージを小さくする
- 頭の中のイメージを白黒にする
- リフレーミングをする
- カウンセラーに相談する
- 精神科を受診する
- 転職をする
睡眠をとる
1つ目は、睡眠をとることです。
なぜなら、睡眠をとることで脳がリセットされ、心と体が休まるからです。
たとえば、あなたも疲れたときや気分が落ち込んだときに、一晩ぐっすり眠ることで翌朝には気持ちが少し軽くなった経験があるかもしれません。
このように、睡眠は心の回復に欠かせない重要な要素で、ストレスや不安感を軽減させる効果があります。
そのため、怒られたことが頭から離れないときは、まずしっかりと睡眠をとることを心がけてみてくださいね。
頭の中のイメージを小さくする
2つ目は、頭の中のイメージを小さくすることです。
理由は、頭の中で自分のイメージを小さくすることで、その出来事の感情的なインパクトを軽減できるからです。
たとえば、NLP(神経言語プログラミング)のテクニックとして、頭の中で落ち込む自分をイメージして、そのイメージを遠ざけて自分をどんどん小さくしていき、見えなくなるまで小さくして最終的には消してしまいます。
このようにイメージすることで、心が楽になると言われています。
そのため、頭の中でイメージをコントロールすることで、気持ちの切り替えがしやすくなります。
頭の中のイメージを白黒にする
3つ目は、頭の中のイメージを白黒にすることです。
なぜなら、頭の中のイメージを白黒に変えることで、感情を和らげることができるからです。
NLPのもう一つのテクニックとして、頭の中でイメージした自分をカラーから白黒にしていくことで、心の中の圧力が軽減されるという方法があります。
このように感情が強く動く場面をカラーから白黒に変えることでも、感情が薄くなり、頭の中で引きずられにくくなります。
そのため、強い印象が残ってしまう場面は、このように白黒にするイメージトレーニングも効果的です。
リフレーミングをする
4つ目は、リフレーミングをすることです。
その理由は、リフレーミングにより、出来事に対する捉え方を変えることで感情が変わるからです。
たとえば、怒られたときに「自分がダメなんだ…」と感じると辛くなってしまうことがありますが、リフレーミングを使って「こういうこともある」と捉え直すことで、気持ちが楽になることがあります。
このように、物事の見方や枠組みを変えることで感情が変化し、ストレスが軽減されることがあります。
カウンセラーに相談する
5つ目は、カウンセラーに相談することです。
なぜなら、誰にも相談できる相手がいないとき、専門家のアドバイスを受けることで、心が軽くなることが多いからです。
たとえば、日常的に怒られたり叱られたりすることでストレスを感じたとき、信頼できるカウンセラーに相談することで、自分が抱える問題を整理し、効果的な対策を見つけることができる場合があります。
カウンセラーは客観的な視点から、心の負担を和らげるサポートをしてくれる存在です。
そのため、話せる相手がいないと感じたら、カウンセリングを受けてみることも有効な方法です。
精神科を受診する
6つ目は、精神科を受診することです。
理由は、心身の不調が続く場合、適応障害などの可能性もあるため、専門医の診断を受けることが重要だからです。
たとえば、怒られることが怖くなり、日常生活に支障が出るほどの不安やストレスを抱えている場合、専門の医師による診察を受けることで、適切な治療やサポートを受けられる可能性があります。
精神的な問題は放置せず、早めに専門家に相談することも大切です。
そのため、深刻な状態に陥る前に、専門医の力を借りることも一つの選択肢です。
転職をする
7つ目は、転職をすることです。
なぜなら、物理的な環境を変えることで、心の負担を軽減することができるからです。
たとえば、僕自身も仕事で何度も怒られることでメンタルが疲弊してしまい、最終的に転職をすることで気持ちが大きく変わり、自己肯定感を取り戻すことができました。
嫌な環境から離れることで、新たな環境で自分を再スタートさせることができ、心が軽くなることがあります。
そのため、どうしても怒られ続ける環境が辛いと感じたら、転職も有効な手段です。
怒られるのが怖くなくなる方法

続いては、怒られるのが怖くなくなる方法を4つご紹介します。
- 相手との関係を築く
- 相手に期待しない
- 割り切る
- 人だと思わない
相手との関係を築く
1つ目は、相手との関係を築くことです。
なぜなら、相手との関係が良好であれば、相手も怒りにくくなり、怒られる機会自体が減るからです。
たとえば、よく怒る上司や同僚と徐々に関係を深め、信頼関係を築くことで、コミュニケーションがスムーズになり、相手の感情を刺激することも少なくなります。
このようにして、関係を築くことで怒られることが減り、自然と怖さも薄れていくのです。
そのため、怒られることが怖い場合、まずは相手と良好な関係を築くことが有効です。
相手に期待しない
2つ目は、相手に期待しないことです。
理由は、自分がコントロールできるのは自分自身だけであり、相手の感情や行動を左右することはできないからです。
たとえば、相手が怒るかどうかは相手次第であり、自分がどれだけ努力しても、完璧に相手の怒りを防ぐことはできません。
そのため、「相手に何かを期待しない」ことで、自分の心が軽くなり、怒られることに対して恐れや抵抗を感じにくくなるのです。
よって、相手に期待せず、自分の行動に集中することで、怒られることが怖くなくなることがあります。
割り切る
3つ目は、割り切ることです。
その理由は、仕事や状況を割り切ることで、怒られることに対する心理的な負担が軽減されるからです。
たとえば、仕事を生きるために最低限のことだけこなすと割り切れば、失敗することがあっても自分を責めずに済むため、相手からの怒りに対しても「仕方ない」と思えるようになります。
このように心理的な距離を置くことで、怒られること自体が重大な問題と感じにくくなり、怖さも軽減されるのです。
そのため、割り切って物事を考えることで、怒られることへの恐怖も和らぎます。
人だと思わない
4つ目は、相手を「人だと思わない」ことです。
なぜなら、相手を自分にとって恐怖を感じない存在だと捉え直すことで、怒られること自体が怖く感じにくくなるからです。
たとえば、子どもや動物に怒られても恐怖を感じないように、相手を「怒るけれど、怖くない存在」として捉えることで、怒られる状況が心理的に軽くなります。
この方法を使えば、相手に対する恐怖心が薄れ、怒られることもあまり怖く感じなくなることがあります。
そのため、相手を別物だと考え直すことで、怒られる恐怖を軽減することができるのです。
怒られてもメンタルを保つ方法

最後は、怒られてもメンタルを保つ方法を5つご紹介します。
- 自分を否定しない
- 聞き流す
- 運のせいにする
- しっかり休む
- 自分にあった心のケア方法を見つける
自分を否定しない
1つ目は、自分を否定しないことです。
なぜなら、怒られるときに自分を否定してしまうと、メンタルが深く傷ついてしまうからです。
たとえば、ミスをして怒られたとしても、そのミスがすべて自分の価値を決定するわけではありません。
だからこそ、怒られたことを「自分がダメだからだ」と考えないようにすることで、メンタルを保つことができます。
聞き流す
2つ目は、聞き流すことです。
その理由は、怒られたことを真剣に受け取りすぎると、自分が傷つきやすくなるからです。
たとえば、相手が感情的になって怒っているときは、冷静に対処するのが難しい場合があります。
そういったときに、相手の言葉を聞き流すことで、自分のメンタルを守ることができます。
よって、怒られたときに聞き流すテクニックを使うと、心の負担を軽減できます。
怒られるときに受け流す方法はこちらの記事「彼女の話を聞くのが疲れたなら、彼女とあなたを「同時に癒す聴き方」を!」も参考にしてみてくださいね。
運のせいにする
3つ目は、運のせいにすることです。
理由は、怒られる原因が自分の努力や能力とは関係なく、運の悪さに起因している場合もあるからです。
たとえば、どれだけ準備をしても運が悪く、予期しないトラブルが起こることはよくあります。
そんなときに「運が悪かっただけだ」と考えることで、自分を責める必要がなくなり、メンタルを保つことができるのです。
このように、怒られたときに「運が悪かった」と割り切ることで、心の負担を軽くすることが可能です。
しっかり休む
4つ目は、しっかり休むことです。
なぜなら、休むことで心のケアができ、精神的な疲労が回復するからです。
たとえば、仕事やプライベートで怒られて精神的に疲れてしまったときは、無理をせずに休むことで気持ちがリセットされやすくなります。
休むことで自分自身に余裕ができ、再び元気を取り戻すことができます。
そのため、しっかりと休息を取ることは、怒られてもメンタルを保つためにとても大切です。
自分にあった心のケア方法を見つける
5つ目は、自分にあった心のケア方法を見つけることです。
理由は、心のケアの方法は人それぞれ異なるため、最適なケア方法も異なるからです。
たとえば、ある人は運動をすることでストレスを解消し、別の人は音楽や瞑想を使ってリラックスします。
自分に合った方法を見つけることが、長期的にメンタルを保つために重要です。
以前にご紹介した「心のケア方法」を参考に、自分に合う方法を見つけてみてくださいね。
怒られたことが頭から離れない理由まとめ
怒られたことが頭から離れない理由や、その対処法についてご紹介しました。
怒られたことが何度も頭に浮かんでしまうのは、繰り返し考えることで記憶に定着してしまうことや、インパクトの強い出来事が印象に残りやすいからです。
また、考えないようにすればするほど意識してしまうことや、自信がないこと、恐怖心が原因で頭から離れなくなることもあります。
そのような場合の対処法としては、睡眠をとることや、NLPのテクニックを使って頭の中のイメージを小さくしたり、白黒にする方法が有効です。
また、リフレーミングを使って物事の捉え方を変えることや、カウンセラーに相談することも効果的です。
場合によっては、精神科の受診や転職を考えることも1つの選択肢です。
さらに、怒られること自体が怖くなくなる方法としては、相手との関係を築いたり、相手に期待しないことで怒られることに対する抵抗感を軽減できます。
仕事や人間関係を割り切ることや、怒る相手を「人だと思わない」という意識の持ち方も有効です。
最後に、怒られてもメンタルを保つためには、自分を否定せず、聞き流す技術を身につけることが大切です。
運のせいにしてしまうことや、しっかりと休むことも心のケアに繋がります。
さらに、自分に合ったケア方法を見つけることで、長期的に心を健康に保つことができます。
このように、怒られたことが頭から離れないときも、さまざまな方法でメンタルを守ることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
参考資料
- 細川 貂々 (著)、水島 広子 (著)、やっぱり、それでいい。: 人の話を聞くストレスが自分の癒しに変わる方法、創元社、2018/11/8
- ジョセフ・オコナー、ジョン・セイモア、NLPの原理と道具「言葉と思考の心理学手法」応用マニュアル (フェニックスシリーズ) 、パンローリング株式会社、2019/7/17
- ダニエル・カーネマン (著)、村井章子 (翻訳)、ファスト&スロー(上・下) あなたの意思はどのように決まるか?、早川書房、2014/6/20
- ロイ・バウマイスター (著)、ジョン・ティアニー (著)、渡会圭子 (翻訳)、WILLPOWER 意志力の科学、インターシフト、2013/4/22
- 仕事のストレスとうつ病-日本橋茅場町こころのクリニック
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